IT初心者 てすお (ペンネーム)  の調査レポート
~なぜSSDの穿孔破壊はたくさん穴をあけるの?~

キーワード:HDD, SSD, 物理破壊, 情報セキュリティ

こんにちは。てすお (ペンネーム) です。
IT知識のない私がふと疑問に思ったことを調査するコラムです。

今回のお題は

「なぜHDDに比べてSSDの穿孔破壊はたくさん穴をあけるの?」

HDDに比べてSSDは隅々までメッタ刺しにします。
こんなに串刺しにする理由は一体何なのでしょうか?
その謎に迫りました。

そもそも穿孔破壊ってなに?

穿孔破壊の様子

穿孔破壊は「せんこうはかい」と読みます。私は最初読めませんでした・・・。
専門業者の言う「HDDの物理破壊」は穿孔破壊であることが多いです。
障子に指を突き刺すが如く、HDDやSSDにピンで穴を開けて破壊します。破壊後の見た目にもインパクトがあるのでデータを破壊出来たという安心感も得られそうです。

なぜ穿孔破壊するの?

HDDもSSDもデータを記録して保存する装置です。パソコンの中に入っていて、私たちがWordやExcelのようなファイルを作って保存すると、そのデータはHDDやSSDに保存されます。

自分のパソコンに何を保存してきたか思い返してみてください。大事なデータや人に見られたくない恥ずかしいデータを保存している方もいらっしゃるのではないでしょうか?

他人に見せたくないデータを消滅させたくなったときの手段の一つとして穿孔破壊があります。

HDDとSSDの穿孔破壊比較

下図は穿孔破壊後のHDDとSSDです。

       
HDD 穿孔破壊後            SSD 穿孔破壊後

ご覧の通りHDDの穴は4箇所、SSDは……数えるのも面倒なくらい沢山あります。
頑張って数えて見たところ、その数なんと40箇所。じつにHDDの10倍にもなります。

たくさん穴をあける理由は内面にあった

HDDとSSDの違いはなんでしょうか?

外面を見比べても外寸くらいしか明確な違いが分かりません。端から眺めるだけではサッパリ分かりません。外見で判断出来ないなら中身で判断しよう!

   
HDD                  SSD

というわけで中を見てみます。

     
HDD内部構造                SSD内部構造

HDDの特徴は内部にプラッタと呼ばれる円盤が入っていることです。このプラッタにデータを保存しています。中身の大部分が円盤であり配置箇所も決まっているので4箇所の穴でも確実に円盤を貫いてデータを破壊することが出来ます。

対するSSDは全然構造が違います。SSDは円盤ではなくフラッシュメモリと呼ばれる黒いチップにデータを保存しています。

しかも、SSDの種類によってチップの数も配置箇所も違うという天の邪鬼ぶり。

もはや4箇所の穴では全てのフラッシュメモリを破壊出来ない可能性の方が高いです。そのために、もう穴をあける場所がないというくらい隅々まで穴をあけて確実に破壊をしているのだと推察されます。

 

破壊イメージ

まとめ

・HDDは円盤でデータ保存、SSDはフラッシュメモリと呼ばれる黒いチップで保存

・HDDの円盤は大きいため、穴の数が少なくても円盤にヒットする。

・SSDはフラッシュメモリが小さく、数も配置箇所も違うので しらみ潰しする必要がある

SSDのデータを確実に破壊するためには必然的に穴の個数が多くなります。SSDの穿孔破壊を業者に依頼する場合、もしくはご自身で破壊される場合には穿孔数が十分であるか確認をしましょう。

穴を開けるだけでは不安だという方や重要機密度の高い記憶メディアを破壊したい場合には
シュレッダー破砕というものがあります。これはまた別の機会にお話出来ればと思います。